障害の性質としては、設計不良や製造工程上の不良などが原因の先天的な障害と、
経年劣化や動作環境が原因の後天的な障害の2種類が考えられます。
CPUの技術が進み、Intel 4004からPentium4の時代まではムーアの法則と呼ばれる
集積密度が2年ごとに倍になり、動作周波数も3GHzを超えるなど高密度化・高速化が劇的に進んで
CPUの製造が大変に難しくなる上、人体や物体からの静電気の放電や雷などの過電流や、
動作時に発する熱などには大変弱くなってきています。
また内部の基本的な回路が破損した場合はPC/ATが起動しなくなるため、すぐ異常は発見できますが、
マルチメディア命令や64bit命令など拡張機能を司る回路は実行されるまでは
回路やレジスタの異常を検知できません。
PC-Doctorはマルチメディア命令やレジスタの動作の検査を行うことができます。
RISCプロセッサと比べ複雑になりすぎた命令体系のため、
命令実行に異常をきたす設計不良が発見される場合が多々あります。
しかしPentium Pro以降のP6マイクロアーキテクチャ以降のCPUでは、
エラッタと呼ばれる修正用マイクロコードをBIOSによってPC/AT起動時に書き換えることで
修正することが可能です。
BIOSはシステムボード製造メーカより最新版の更新用バイナリを供給されているので、
実動作が不安定な場合や、検査ソフトウェアによるCPUテストで異常が発見された場合は、
システムボードのBIOSを最新版に更新することで改善される場合があります。
またCPUはコンピュータの中心的存在であるため、製造品質が良い上に品質管理が大変に厳しく、
さらにCPU供給メーカが少ないため他の装置ような価格競争もないので、
製造不良に関する障害は殆ど確認できません。
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図3.3 CPU冷却ファン上部外観 | 図3.4 CPU冷却ファン上部外観(その2) |
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図3.5 CPU冷却ファン下部外観 |
冷却にはCPUを十分に冷却できる仕様の装置を規定の設置手順を遵守する必要がありますが、
作業者の装着ミスやご認識により冷却装置の設置不良が起こる可能性があります。
また無事装着し稼動した後も、冷却装置の故障によって冷却が十分に行われない事態も考えられます。
これら熱による障害によってCPUの動作が不安定になったり、動作停止状態に陥ります。
以下に主な要因の例を挙げます。