2.3.2. アドバンストパターンテスト
DRAMに対して何度も記録や再生を行うことで負荷をかけて検証します。
各DRAMアドレスにあるパターンを記録後にそのパターンの反転した値を記録して、
充電状態だった記憶セルは全て放電状態にし、また放電状態だった記憶セルは充電状態にすることで、
DRAMに充放電の負荷をかけます。
さらに、パターンを記録しては反転パターンを記録します。
この記録パターンは弊社の基本18パターンを用います。
このようにしてDRAMにかなりの負荷をかけることで
単独動作の検査では発現しなかった障害を発見するのに有効です。
テスト例
- すべてのDRAMアドレスに10101010bパターンを記録
- 各アドレスの再生データと10101010bパターンを比較検証
- すべてのDRAMアドレスに反転した値01010101bパターンを記録
- 各アドレスの再生データと01010101bパターンを比較検証
- 他のパターンでも同じ検証を行う
2.3.3. アドレス単位パターンテスト
各パターンテストやアドバンストパターンテストは、ビット単位で記憶セルを検査しましたが、
アドレス単位のパターンテストによって、近隣ではないけれどもDRAMチップ内で物理的に近い記憶セル同士の
記録および再生時の影響や、列アドレスが同じで行アドレスが異なる記憶セルの影響、
そして行アドレスと列アドレスが同じでDIMMが異なる記憶セルの影響などを検査するのに有効です。
- 隣接アドレスに不正な値を記録
(例) 記録値 : 0x000000A3 → DRAM値 : 0x00A300A3
- 異なるバンクの同じアドレスに不正な値を記録
(例) アドレス0x01000(Bank番号1、行アドレス50、列アドレス12)に0xA3を記録
↓
アドレス0x2300(Bank番号2、行アドレス50、列アドレス12)にも0xA3が記録されている
以下に各種アドレス単位のパターンテストを説明します。
- アドレステスト
各DRAMアドレスに対し、アドレス自身の値をそれぞれ記録して検証します。
記録時および再生時の近隣アドレスへの影響の検証に有効です。
- モジュロ20テスト
20番地のアドレス毎に、0を書き込み、他のアドレス番地には全ビットに1を書き込み検査します。
記録時および再生時の近隣アドレスへの影響の検証に有効です。
- ムービングインバージョンテスト
アドレス番地が増えるたびに1ビットシフトした基本パターンを書き込み検査します。
全ての基本パターンについてそれぞれ検査します。
記録時および再生時の隣接アドレスへの影響の検証に有効です。
2.3.4. ストレステスト
900秒間アドバンストパターンテストを行い続け、再現性の非常に低いDRAM障害を検出するのに役立ちます。
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