DRAM技術の進化によって高速化がすすんでいます。
しかしICの集積化・高速化が進めば
ICの設計・製造には高度な技術が必要な上にノイズや過電流、静電気の放電、経年劣化などの耐性が
低くなります。
ノイズには以下のような原因によって発生する場合があります。
信号線の電気信号が、隣接した信号線に移る現象です。 DRAMの高密度化および高速化によって、プリント配線間やIC内回路間の距離が極度に近すぎると、 隣接した信号線や回路に電荷が移り、ひどい場合はビット値が変化してしまいます。 |
信号線の電気信号が信号線の終端で反射する現象です。 例えばDIMMの場合、複数のDRAMが信号線に接続し、特定のDRAMに対して操作を行うとき、 DRAMの非動作中のDRAMに電気信号が反射して、操作中のDRAMの電気信号に悪影響を及ぼし、 ひどいの場合は値が反転してしまいます。 DRAMの高速化および高密度化によって、DRAMの反射ノイズの対策がより重要になってきています。 |
信号線どうしの配線長が異なるために電気信号の到着時間が不均一となる現象です。 複数のデータ線に電気信号が同期して流れる場合は、高速化および高密度化によって、 スキューによるデータの遅延による悪影響がかなり深刻になってきました。 |
また障害の性質としては、設計不良や製造工程上の不良などが原因の先天的な障害と、 経年劣化や動作環境が原因の後天的な障害の2種類が考えられます。
全ての構成デバイス(SDRAM IC、DIMM、SPD、コントローラ)の先天的障害は、設計不良または
製造不良によって起こるノイズが主な原因です。
各デバイスはベンダーによって各々製造することが可能であるため、製品によっても品質がまちまちで、
大容量化と高速化による近年の急激な微細化と苛烈な価格競争によって粗悪な製品が販売されることが
多々あります。
また、ユーザが機器購入後に発生する動作不良は一見後天的障害に思えますが、実は低コストで
設計製造された粗悪な構成デバイスが劣化し障害を起こしている場合もあります。
長期間の使用で起こる経年劣化と動作環境/取扱環境による急速な製品劣化など様々な要因がありますが、 具体的には以下のような例があります。
これらの障害により、下記のような現象の例が挙げられます。
これらの現象の中でクロストークや反射によるDRAMのノイズ障害が、 ユーザの知らぬ間に発生して大切なデータが書き換えられてしまう可能性があり、 最も厄介です。