コンピュータ通信の物理的な通信規格の一つです。
Ethernet装置はMACアドレスと呼ばれる固有のアドレスを持ち、
宛先と送信元のMACアドレスと送信データをCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access / Collision Detect )
と呼ばれる他のコンピュータから送信が無いときに送信することで
同じ通信線に繋がっている(コリジョンドメイン、またはブロードキャストセグメントと呼ばれる)全てのコンピュータに
対して送信する方法です。
ケーブルは様々なタイプがありますが、現在最もよく用いられるより対線(UTP)ケーブル方式
または光ケーブル方式です。
UTPケーブルは4対8線または2対4線のより対線を用い、光ケーブルは光ファイバ線を用います。
UTPケーブル方式の場合リピータハブまたはスイッチングハブなどで
Ethernetネットワークに接続するコンピュータを追加することも可能です。
さらにUTPケーブル方式は相手コンピュータと1対1接続のときは
コネクタの送信と受信のピン配線が交差しているクロスケーブルを用い、
ハブに接続する場合は何も配線が変わっていないストレートケーブルを用います。
規格によってはデータ線が2本あり、全2重通信が可能です。
そのため、実際にCSMA/CDの方式が完全に利用されるのは同軸ケーブルによるEthernetか
10Mbpsの通信速度ののEthernetネットワークのみで、
スイッチングハブではDRAMバッファに蓄える機能が
あるので送信データ衝突を最小限にし、通信網の性能を最大限に引き出します。
したがってスイッチングハブのバッファ容量は、ハブ製品選定の重要な要素となります。
現在最大通信速度100MbpsのUTPケーブルを用いた100BASE-Tが一般では主流ですが、
最近は最大通信速度が1000bpsの1000BASE-Tも普及しつつあります。
また業務用では光ケーブルを用いた1000BASE-LXや1000BASE-SX、
さらに最大転送速度が10Gbpsである製品やケーブルも市場に出てきました。
PC/AT互換機ではEthernet機能を利用するため、Ethernet PCI/PCI Express拡張カードを用います。
最近では、システムボードにEthernetカードが標準で備え付けられています(図4.1〜図4.5)。
通信速度が高速化するにつれ、制御プロセッサや基盤、配線、そしてLANコネクタや素子、そして
通信インターフェースは設計や部品、そして製造工程は高品質を求められるようになりました。
![]() | ![]() |
図4.1 Ethernet 100Base-TX PCI拡張カード上部外観 | 図4.2 Ethernet 100Base-TX PCI拡張カード側部外観 |
![]() | ![]() |
図4.3 Ethernet 100Base-TX PCI拡張カード下部外観 |
図4.4 Ethernet 100Base-TX PCI拡張カードコントローラ |
![]() |
図4.5 Ethernet 100Base-TX PCI拡張カードコネクタ部(メス)外観 |
UTPケーブルを用いた通信規格は、すべて同じコネクタ形状のケーブル(図4.6、図4.7)を用いますが、 通信速度が速い規格ほど伝送特性の優れた規格のケーブルを用いる必要があります。 表4.1にEthernetの規格と通信ケーブルの対応表を掲載します。
![]() | ![]() |
図4.6 Ethernet Category 5 ケーブル外観 | 図4.7 Ethernet Category 5 ケーブルコネクタ部(オス)外観 |
Ethernet規格 | Cable規格 |
100BASE-T4以下 | Category 3 |
1000BASE-T | Category 5 (5e推奨) |
10GBASE-T | Category 6 |