4.4. Ethernet(IEEE802.3)

コンピュータ通信の物理的な通信規格の一つです。

Ethernet装置はMACアドレスと呼ばれる固有のアドレスを持ち、 宛先と送信元のMACアドレスと送信データをCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access / Collision Detect ) と呼ばれる他のコンピュータから送信が無いときに送信することで 同じ通信線に繋がっている(コリジョンドメイン、またはブロードキャストセグメントと呼ばれる)全てのコンピュータに 対して送信する方法です。

ケーブルは様々なタイプがありますが、現在最もよく用いられるより対線(UTP)ケーブル方式 または光ケーブル方式です。 UTPケーブルは4対8線または2対4線のより対線を用い、光ケーブルは光ファイバ線を用います。

UTPケーブル方式の場合リピータハブまたはスイッチングハブなどで Ethernetネットワークに接続するコンピュータを追加することも可能です。 さらにUTPケーブル方式は相手コンピュータと1対1接続のときは コネクタの送信と受信のピン配線が交差しているクロスケーブルを用い、 ハブに接続する場合は何も配線が変わっていないストレートケーブルを用います。

規格によってはデータ線が2本あり、全2重通信が可能です。 そのため、実際にCSMA/CDの方式が完全に利用されるのは同軸ケーブルによるEthernetか 10Mbpsの通信速度ののEthernetネットワークのみで、 スイッチングハブではDRAMバッファに蓄える機能が あるので送信データ衝突を最小限にし、通信網の性能を最大限に引き出します。 したがってスイッチングハブのバッファ容量は、ハブ製品選定の重要な要素となります。

現在最大通信速度100MbpsのUTPケーブルを用いた100BASE-Tが一般では主流ですが、 最近は最大通信速度が1000bpsの1000BASE-Tも普及しつつあります。 また業務用では光ケーブルを用いた1000BASE-LXや1000BASE-SX、 さらに最大転送速度が10Gbpsである製品やケーブルも市場に出てきました。


4.4.1. Ethernetカード

PC/AT互換機ではEthernet機能を利用するため、Ethernet PCI/PCI Express拡張カードを用います。 最近では、システムボードにEthernetカードが標準で備え付けられています(図4.1〜図4.5)。
通信速度が高速化するにつれ、制御プロセッサや基盤、配線、そしてLANコネクタや素子、そして 通信インターフェースは設計や部品、そして製造工程は高品質を求められるようになりました。

図4.1   Ethernet 100Base-TX
PCI拡張カード上部外観
図4.2   Ethernet 100Base-TX
PCI拡張カード側部外観

図4.3   Ethernet 100Base-TX
PCI拡張カード下部外観
図4.4   Ethernet 100Base-TX
PCI拡張カードコントローラ

図4.5 Ethernet 100Base-TX
PCI拡張カードコネクタ部(メス)外観


4.4.2. Ethernetケーブル

UTPケーブルを用いた通信規格は、すべて同じコネクタ形状のケーブル(図4.6、図4.7)を用いますが、 通信速度が速い規格ほど伝送特性の優れた規格のケーブルを用いる必要があります。 表4.1にEthernetの規格と通信ケーブルの対応表を掲載します。

図4.6  Ethernet Category 5 ケーブル外観図4.7   Ethernet Category 5
ケーブルコネクタ部(オス)外観



表4.1 Ehternetケーブル
Ethernet規格 Cable規格
100BASE-T4以下 Category 3
1000BASE-T Category 5 (5e推奨)
10GBASE-T Category 6


前のページ   /  次のページ